紫苑色の呼び声

ここは私の小さな神殿。

十二

リビング住人へ。見ないで。お願い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

痛い。痛い。痛い。痛い。頭が痛い。腹が痛い。心が痛い。そんな感覚がするがどこも痛まない。でもとにかく苦しい。痛い。
場所がない。痛い。リビングの住人から排他的な扱いを受けているような感覚がある。自分でもわかっている、それは被害妄想で本当は僕以外のリビング住人が仲が良いだけだと。でもだからってリビング住人の中で誰からも扱いが一番雑だと苦しい、痛い。痛い。
痛い。痛い。痛い。吐き気がする。頭が痛い。僕だって仲良くなりたい。でも時間がない。リビングで和やかに会話しながら作業を同時進行なんてできない。一人だけ離れてパソコンで作業することになる。結果一人だけ好感度が下がり続けているのかもしれない。それならまだいい。痛い。痛い。頭が痛い。でももしかしたら僕が調子悪いせいで、もっと悪い場合は頭が悪くセンスを失ったせいでみんなが僕から離れていっているのかもしれない。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。苦しい。僕が悪いのか、改善可能なのか。諦めなければならないのか、それもなにも分からず疎外を受け続けるのは苦痛だ。それを不確定にしたままというのは残酷だ。目が痛い。痒い。
別にリビングから出れば良い話ではある。認識しなければ存在しないのとおなじだ。でも僕にはリビングの他に帰る場所がない。寝る場所はあるが所詮居候だ、僕の場所ではない。それにリビングにパソコンを置いているからリビングにいないと作業ができない。映像制作の進捗を生み続けることが今の僕を支えている大きな柱だ。それを失ってはそれこそ死んでしまう、淀んでしまう、腐ってしまう。絶対に嫌だ。苦しい。
こうやってダブルバインドになるとすぐに神経を悪くする。どこか分からない場所がずっと痛い。
結局こういうときに誰にも頼れない強さが問題なのか。弱さを見せれば深い仲になれるのか。一人でなんでも背負いこもうとするからこうやって疎外されるのか。誰かに頼れば楽になるのか。おれに強くなれっていったのはお前らのくせに。痛い。吐き気がする。こういうのはだいたい一時的な不安による症状だからしばらく原因から遠ざかっていれば問題はない。でも場所がない。痛い。吐き気がする。頭がガンガン鳴る。吐き気がする。パソコンを抱えてどこかへ避難したい。痛い。どうしようもないと苦しい。砂を呼び出すことはたぶんできる。そうすればたぶん楽にはなる。だけど強くあり続ける呪いが邪魔をして発動できない。本当の本当に全身が無理になったら緊急避難として呼び出すのかもしれない。でも頼りたくない。人格というのは面倒ごとを押し付けるための存在ではない。人格にも人権はある。できるだけ尊重したい。またそうやって強がる。でも強くあることを捨てたらおれはきっとバラバラに、痛い。痛い。
とにかく吐き出すことが必要だったので公園で吐き出したけど、結局少し楽になるだけであまり解決法は見えない。3階にパソコンとモニタを持っていけば緊急避難にはなるけど、それ以上は稼げない。寒い。帰りたくない。痛い。でも寒さの中で何をしても無意味だ。自傷だって楽しくない。安心できる場所に帰りたい。泣きたい。誰にも心配されたくない。気遣いされると苦しくなる。無視してくれ。頼むから。
たぶん、‪█‬‪█‬と‪█‪█‬がリビングにいるとかなり無理感が強くなる。‪█‬‪█‬と‪█‬‪█‬もそこそこ厳しい。単体なら大丈夫。比べるものがないので。なんで露骨におれにだけ。痛い痛い。痛い。痛い。いやだ、苦しい。痛い。
目が、喉が、痛みを、
今日はもうどうしようもない。帰って寝ればマシになる気がするけどまだ眠れそうにない。それに帰りたくない。3階に間借りさせてもらうか。絶対心配される。それは嫌だ。吉田寮に行くという手もあるが、パソコンがない。かといってリビングはもう絶対に嫌だ。恐怖感がある。この呪いが時間経過で解けるまでは無理。

 

墨鼠の場所を使ってしまった。ごめんなさい。でも誰かがたどり着く可能性があってあまり人が来なさそうな場所がここしかなかった。いつかは壊さなければいけないから今でもいいのだろう。夢で。